その夜は濡れ雑巾が張り付いたような、湿気っぽい熱帯の夜だった。
深夜の公園。騒がしい虫の鳴き声に交じって、調子はずれの鼻歌が聞こえてくる。
中年の男が上機嫌で草むらで小用をたしていた。
じょぼじょぼと木の根元に小便をふりかけ、何度か体をゆすって汁切りをした後、しなびた一物をしまおうとした。
がさり。
奥の草むらで物音がした。
男は酒に焼けた顔を、怪訝そうにそちらへと向けた。
風に乗って、かすかな香りが鼻をくすぐる。
それは、この時間、この場所にあまりに似つかわしくない、芳しい女性のにおいだった。
男の一物が、にわかに力を取り戻し始めた。
「おい、姉ちゃん。こんな時間にこんなところにいちゃあかんで」
「ほう、こんな時間におのこと出会うとはな」
芯の通った女性の声が響く。徐々に暗がりから姿を現したのは、巫女服を崩し気味に着た、年若い少女……柚鈴だった。
「さっきのチンカスのにおいは、おじさまかしら……すごくいい匂い……私癖になっちゃいそう」
「おいおい、おっさんをからかうんじゃねえよ……本気になっちまうだろうが」
男が吐き捨てるように、しかし、期待の熱を込めて言った。
少女の高く張り詰めた胸、大きく張り出た尻は、最後に女体の味を味わったのが20年前でなくとも、十分に蠱惑的だった。それに、その整った、利発そうな容姿は街灯の光の照り返しを受けて、輝いて見える。
薄汚れた作業服の股間は、すでに高くテントを張っていた。
「あら、噓じゃないわよ」
柚鈴はにこやかに微笑みを浮かべながら一歩一歩、間を詰める。男は何故か、背筋にうすら寒いものを感じた。
この少女は、何かヤバい。そう思った。
たじろこうとした瞬間、その股間にほっそりとした指が触れた。
「おじさんのおちんちん、苦しそう。柚鈴が楽にしてあげるわ」
柚鈴の目が細まり、赤く光った。
その瞬間、男の体にびぎり、と電撃が走った。
全身の神経がそこに集まったかのように敏感になっていた。柚鈴の掌が作業着の上から擦るたびに、びくびくと痙攣し、精を吐いた。
全身の血がそこに集まったかのように熱くなっていた。男はよろめいた。頭にぼんやりと雲がかかったようだ。
「う、あ…………が、がああああ!!!」
男は叫び、ベルトを引きちぎってズボンを下ろすや、柚鈴の小さな頭を両手でつかんだ。そのまま、極限まで張り詰めた一物で柚鈴の口をこじ開けると、喉奥までぶち込んだ。
何度も、何度も打ち込んだ。柚鈴の掛けていた眼鏡が男の鼠径部に当たってずれた。
そして、白い欲望を解き放った。それは、まるでシャッフルしたコーラをぶちまけるかのような量と勢いで、柚鈴の口から溢れかえった。
「ごふっ……!ごぼ、ごひゅ……」
男はそのまま棒立ちで、小刻みに痙攣しながら立ち尽くしていた。
柚鈴がそれを引き抜くや、舌を絡めてねぶった。
「おほったほおりの、ちんはすふるほーふね♡おじはま ♡ 」
その舌先が怒張した一物の裏筋をくすぐり、尿道をほじくり、精液をすすった。
存分にすすり終えたとみるや、木に手をつき、尻を向けて袴を下ろす。
「さあ、いらっしゃい……」
街灯に照らされた秘所は、濡れそぼりてらてらと赤い肉を垣間見せていた。
男は、まるで幽鬼のような足取りで、しかし、力強くその尻を掴み、いまだ赤熱したままの男根をねじりこんだ。
びきっ……!
柚鈴のなかで張り詰めたものが破られ、その細い体が痛みに震えた。
(……っ!!!)
「ほう、ようやく起きたかえ……初のものを誰とも知れぬ汚らしい男に破られた気分はどうだ、退魔巫女 柚鈴……ひ、ひ」
(わ、私の……処女がっつあ!!)
男が打ち付けた。その杭が柚鈴の子宮を揺らした。痺れるような痛みと、不自然なほど溢れる疼きに、柚鈴はうめいた。
(許さない……!!許さない……!んぎっ)
「あっ、ひんっ!!くく、先ほどまで……ぃひ!処女であった割には、随分な感じようよな…っあ…!」
「やはり、このような助平な体は、っ!貴様には勿体ない!…っくうう!!」
腰の打ち付けが一段と激しさを増す。その度に、柚鈴は初物の膣を使われる苦痛と、それを上回る快感によがり声をあげる。
「んひっ、いいぞ、いいぞ!!もっと乱暴にこすりあげ、こじ開け、おじさんのチンポ汁で、柚鈴の中を真っ白にしてえ!!」
(認めない、認めない認めない……!!こんなの、私じゃ)
「柚鈴は!そこらへんの浮浪者ちんぽでも見境なくっ!食べちゃう、変態女でーす♡」
(違う……っ……え?)
不意に貫いていた一物が抜けた。柚鈴の体を、得体の知れない空虚感が支配する。
男の体がゆらり、と揺れ、草むらにあおむけに倒れた。ひゅうひゅうと、かすれた息が聞こえた。
「愚図が、折角上り詰めようとしておるときに休みおって!!」
柚鈴は鬼女のごとき怒りをあらわにして、男に覆いかぶさった。
そのいまだ怒張冷めやらぬ一物に片手を添え……腰を下ろす。
ずちゅん!!
目をむくほどの快感に貫かれ、柚鈴は宙へあえいだ。
「……うひっ!やはり儂の見込んだ器よ……出来上がるのも早いか」
(……何を、何を、私の体にしたああ!!)
柚鈴が身を捻り、男の息子を締め上げる。同時に腰を上下に揺さぶり、じゅぷじゅぷとしゃぶりあげた。
「この身体に、相応の魔胎を与えてやっただけよ……感じるであろ、子宮のうねりを、卵巣の喜びを」
(戻せ……!)
「この子種袋は、いずれ儂を孕み、産み落とすのよ。それは出来んなあ、ふひははははははは」
唐突に、がさがさと草むらの奥から音がする。
それは人影だった。組み敷かれた男と同じような、浮浪者と思わしき風体をしている。
「おっ、やってるな……せっかくだし、俺も混ぜてくれよ、姉ちゃん」
薄ら笑みを浮かべた背の高い男がくいくいと、手をこすりあげるような仕草をした。
「ええ、構いませんわよ。柚鈴の穴を、身体を、好きなだけ使ってください」
柚鈴は、口元から垂れたザーメンをぺろりと舐めとると、艶やかに男へ微笑みかけた。
「おほっ、若いくせしてとんだ淫乱め。俺のはすごいぞ、二三日腰が立たなくしてやろう」
柚鈴の身体に後ろから抱きつき、そのはだけた胸に手を差し込んで捏ね始めた。
ねちっこく、乳首を掴んでこねくり回す。ふうふうと男の荒い鼻息が柚鈴のうなじをくすぐり、柚鈴の興奮をさらに盛り上げた。
「あっ……ん、私、お尻の穴がうずいて……たまらないの、慰めてくださいます?」
(そ、そこは……やめて!)
柚鈴はおまんこで下の男のものをしごきあげながら、身を前へ倒して尻を上げた。
背の高い男はひゅう、と口笛を吹き、自らの一物をあらわにした。
「ガキだと思っていたが、こいつは病気だな。チンポ狂いの、淫売だ」
「はい、柚鈴はチンポ狂いのっ、淫売ですぅ!」
柚鈴はそれをねだるように、尻を振る。
男はそれを柚鈴の尻のくぼみにあてがい、ぐっと体重をかけた。
(やめて、やめて、やめてやめて……!)
(入らないから……!)
ぐぶっ……。
「あ、入ったぁ♡」
「なんだあ、この穴、きゅうきゅうと締め付けやがる……そんなにちんぽが恋しいかあ?」
膣と尻穴、両方から子宮にキスをされて、柚鈴の身体は異次元の快楽に満たされた。
口はだらしなく悩ましい息を吐き、なおも男の長い腕が捏ねあげる両胸は、乳首をがちがちにして、その快感を全身で受け止めていた。
男がピストン運動を始めた。長いストロークで、ケツ穴にこすり付けるような緩慢さで抜くと、えぐりこむような強引さで突き込む。
(えぁう……あひ♡)
(こんなの、こんなの、いけないのに……♡)
柚鈴の全身が、昨日まで知らなかった快楽に酔いしれていた。
「くひひ、認めるがいい、早く認めるがいいぞ、柚鈴……自分は儂の孕み袋だとな」
(み、認めない!認めるわけがない!)
「じゃあ、こうするかの」
柚鈴の目がぎらりと赤く光った。
後ろでケツ穴をほじくる作業に専念していた男の手つきが、変わる。
目的地もなく掘り進むだけだったストロークが、執拗に腹のなかへ埋まったちんぽの先を狙うようになったのだ。
内臓の壁を隔てて、ちんぽとちんぽの先がこすれあい、柚鈴の脳裏は沸騰した。
(……くあ、あああぁあぁん、んひ!)
「……ひぁん、あああぁあぁん、んひ!」
(いけないのに、いけないのに……なんでこんなに、気持ちいいのよお!!)
「いけないのに、いけないのに……なんでこんなに、気持ちいいのよお!!」
柚鈴の精神に、ぽたりぽたりと垂らされ続けた毒が、全身に広がった。
燃えるような疼きに身を任せて、柚鈴の瑞々しい肢体が体を振った。
秘所でしゃぶり、尻穴でしごき、男の手を離れた胸を自ら揉みしだく。
すでに、魂の邪悪な同居人が手を下すまでもなく、柚鈴の身体が快楽を求めて、そう動いた。
快楽にあえぐのみだった柚鈴の口元が、にいたり、そう笑った。
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「先日、◯◯公園で浮浪者が2人死んでいるのが見つかりました。これからしばらく、部活や委員会で遅くなるときは、複数人で帰ってください」
教壇で教師が紙を読み上げた。
それに対して、素直な返事や不満げな返事があがる。
窓際の席に座った柚鈴は、ついた頬杖の手のひらの裏側で密かに笑った。
「(まだだ、まだ足りぬぞ、柚鈴♡)」
「(おぬしの淫乱な身体ならば、必ずや儂を産み落とせる事じゃろうて)」
「はい、ご主人様♡」