窓から差し込む赤い斜陽が、廊下に落ちた影をどこまでも長く伸ばす。
夏特有の生ぬるいゼリーの中を泳ぐような空気の中を、バスケ部のユニフォームの少女、綾坂琴音は急いでいた。
一歩を踏み出すたびに、まだ幼さを存分に残す体つきに不似合いな豊かに実った乳房が揺れる。
それを両腕で掻き抱くようにして押さえながら、 人気のない廊下にぱたぱたと靴の音を響かせた。
急ブレーキ。琴音が止まったのは、女子トイレの前だった。
音を立ててドアを開くやいなや、わき目を振らずに個室に飛び込んだ。
「漏れる漏れる漏れる漏れる……ッ!」
勢いよく便座カバーを開く。
がっと掴んだ短パンとスパッツを一気にずり落とす。
落ちるような勢いで便座に座った。
「っは、あ……♡」
股間の圧迫感から解放され、漏れた息はどこか恍惚としていた。
次第に水音も収まり、備え付けのトイレットペーパーで丹念に水気を取って、水に流した。
静まり返った女子トイレに、水の流れる音だけが響く。
「……ふいー。危なかった。コーチの話があと1分長かったら、ぞっとするね」
軽く身震い。短パンとスパッツを穿きなおし、立ち上がる。
個室のドアノブに手をかけて、捻った。
「……あれ?」
二度、三度と捻るも、ドアが開くことはない。
「な。なんで?!」
何度も捻るも、何かに押さえれているかのようにドアはびくともしない。
「……じょ、冗談!!携帯もロッカーに置いてきたし……」
琴音の脳裏に、ふと昔聞いたささやかな噂がよみがえる。
『一階の女子トイレは、夜になると一つ個室が増えるんだって。』
『その個室に入ったら……閉じ込められて、二度と抜け出せなくなってしまうらしいよ。』
昼間はただの怪談話と笑っていたが、いざ自分がそんな目にあってしまうと、とてもそんな気分にはなれなかった。
「……あはは、きっと、ドアに何か引っかかってるだけだよね、それとも、さっき勢いよく開けたから、蝶番が壊れたかも……」
「どっちにしても、人呼ばなきゃ、ね」
どんどん、どんどん、と扉を叩く。その音がトイレに反響する。
「誰か!誰かいませんか!!」
「トイレのドアが壊れて、閉じ込められちゃったんです……!」
返事の代わりに、トイレの蛍光灯が明滅した。
「ちょ、ちょっと……」
何度目かの明滅が過ぎ、光がともったとき。ひたり、と琴音の首筋に冷たいものが触れた。
「……な、何?」
勢いよく振り返る。そこにあったのは、黒い煙の中で揺らめく生首だった。
「……― ― き」
琴音が悲鳴を上げ、口を大きく開いた瞬間、それはずるりと口の中へ飛び込んだ。
声が途切れ、息が詰まる。何かが体の中を這い進んでいる。そんな不快感とともに、めまいがした。
寒い。体の芯から冷えるように寒い。自分が希薄になっていく。
琴音は膝をつき、ドアノブに縋るようにして抗った。
「たす……ごぼっ……けて、まま」
琴音はかくりと首を垂れ、ドアにもたれかかった。
短パンの股間が濡れ色に染まるや、水気が内ももを伝い、個室の床に水たまりを作った。
「……汚ったねえ」
琴音がふいに面を上げ、立ち上がった。
「久々の体が、こんなしまりの悪い奴で損した気分だぜ」
琴音は吐き捨てるようにせせら笑った。
「……だが、発育は悪くねえな。今時のガキは、こんなにでけえのか?」
琴音の小さな手のひらが、ユニフォームを圧して膨らむ二つの乳房をもみしだいた。
「私は……綾坂琴音。中学一年生、12歳、O型、好きなものは運動、嫌いなものは……なになに、このでけえオッパイか。贅沢なガキだぜ」
「ここらでもう少し遊んでやってもいいんだが……股間がべたべたしやがるし、続きは家に帰ってからにしよっと」
「今日から私が綾坂琴音だよ、バイバイ♡」
朗らかな笑みを浮かべて、琴音は個室のドアを開けた。
「……それより、漏らしちゃったの、ママになんて言い訳しようか?」
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「ただいまー」
琴音は靴を脱ぎ捨てると、台所のほうへ声を投げた。
「お帰り、琴音。ご飯出来てるわよ」
「あ、それなんだけど……えーと」
「それとも先にお風呂入る?」
「うん、そう、今日の練習暑くって汗べっとべと」
琴音の声色がころころと笑う。
いつも琴音がするように靴を揃えてから、広間に出る途中の廊下の扉……お風呂に通じる部屋を開いた。
洗面台の鏡に向かい、琴音は鼻歌交じりにユニフォーム、スポーツブラ、と洗濯機に放り込んでいく。
そのたびに露になっていく、伸びやかな少女らしい肢体。その中で、豊満な胸だけがアンバランスだった。
「ふーん、私って、毛生えてるんだ。」
股間のあたりに目を落とす。うっすらとした毛がそこを覆っていた。
「で、も。オナニーはしたことがないんだよね?」
琴音はうきうきと弾むように口にした。
「じゃあ、お風呂場で教えてあげよっか」
首を傾げ、笑った。鏡に映ったその笑顔は、愛らしい12歳の少女のものだった。
お風呂場の引き戸を引き、上機嫌に椅子に座った。
シャワーを一度浴び、水分を含んだショートヘアを絞った。
お風呂の鏡をタオルで一度ぬぐう。湯気のとばりがわずか晴れ、椅子に股を開いて座る琴音を映し出す。
股間に手を当てて、指で割れ目を開いた。
「ねんねな琴音ちゃんに、俺が特別に保健の授業をしてあげよう。」
「おまんこをちゃんと見るのは、はじめてでしょう?」
鏡の中の琴音に笑いかける。
「まず、今開いた厚ぼったいのが大陰唇っていうんだよ。」
「で、付け根にあるぽっちが、クリトリス。ここをいじると、女の子はとても気持ちいいんだ。」
「中にあるビラビラが、小陰唇。」
「で、ここが……」
ラックにかかっているリンスをワンプッシュし、人差し指に絡めていく。
その指を、さらに奥にある穴へと導いた。
「……膣だよ。赤ちゃんの部屋に通じている穴なんだ……んっ♡」
つぷりと人差し指が膣口を割って、中へと沈み込んでいく。
「あは、処女な割に、結構入るね。もう一本ぐらい行けるかな?」
一度人差し指を抜き、今度は中指にもリンスを塗りたくっていく。
そして、二本の指を閉じて、ゆっくりと膣へ挿入した。
「今、何を触っているか、分かるかな?分かんないだろうね?」
「答えは、処女膜でした♡今からこれをぷつっと、ね」
そのまま束ねた指をつきこんだ。
琴音の整った顔立ちが、一瞬痛みに歪む。
「…… 処女喪失おめでとう。琴音ちゃんが好きなサッカー部の先輩じゃなくて、ごめんね。でも、もう琴音は俺のものなんだ♡」
鏡に向かってにへら、と笑いかける。
抜いた指に付いた血を、シャワーで洗い流す。
「……琴音ー。いつまでお風呂に入ってるの?早くご飯食べなさい!」
「うん、今行くね、ママ!」
「ママに呼ばれちゃったから、続きは後でしよっか」
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「おやすみ、琴音。」
「おやすみなさい、ママ」
琴音は母親と並んだ布団に潜り込んだ。
母親は、それを見届けると明かりを消した。
暗闇の中で、琴音はそっと目を閉じ、内側で響く声に耳を澄ませた。
(あはは、私ったらいつもママと一緒に寝てたことを忘れてたっ)
(もうやだ……返して、私の体、返してよ!!!)
(もう無理だよ、だって、琴音ちゃんは俺のものなんだから)
(それにね……)
(琴音ちゃんは、私が一回イったら、消えちゃうんだよ)
(……やだ!!やだやだ、なんでよ!!)
(琴音ちゃんはわからないだろうなあ、魂が定着するんだ。記憶もだいたいもらったし、もうお前はいらないから消えてよ)
(……どうして、どうしてこんなひどいことするの!!!)
(いや、別に意味はないんだけどね。琴音ちゃんみたいな可愛い子が、今みたいに可哀そうな声で鳴くのを聞くのが好きなの)
琴音は布団の中で、パジャマの上から乳首をつまんだ。
(……っ!)
(ふうん、こっちはやってたんだ?牛みたいなおっぱい、嫌いだったんじゃないの?)
(うるさい……!!!)
(でも、もういいんだよ、後は私が全部使ってあげるから。琴音ちゃんの体、いっぱい楽しませてあげるね)
するりと、右手がパンツの中へ滑り込む。
(もっとわめいていいんだよ?泣いてもいいんだよ?誰にも聞こえないからね)
(……!!……!!)
琴音は声を無視し、指先で割れ目を探り当てる。
ほどなくしてひたりと湿った感触が指先を迎えた。
琴音の幼い秘所は既に湿り気を帯びており、指先をやすやすと通した。
その感触に満足げに息を吐き、音をたてないようにゆっくりと息を吸い込んでいく。
体が静かに弛緩し、熱を持ったような錯覚にとらわれる。
その指をクリトリスと入りぐちを引っ掛けるように、抜き差しした。
「……!」
それは目の前が白くなるほどの快感だった。
電撃が走り、背をのけぞらせる。
吸い込んだ息が、荒く漏れた。
琴音は息を止め、耳を澄ませる。
目が暗闇に慣れて、母親の布団が見える。……動きはない。
それを確かめるや、再び深呼吸して、陰核と膣の入り口を擦りあげた。
どんどん湿り気が増している。次第に、擦りあげる指が速く、奥へと侵入していく。
止めたくても止められない。脳裏にはじける快感の渦に酔いしれながら、しかし声を殺し続けた。
空いている左手が、左胸の乳首をつまむ。
ぐりぐりと、人差し指と親指の間で扱きあげる。
「…………!!」
危うく声を漏らしそうになりながらも、熱に浮いた顔を上気させ、静かに悩ましげに吐息した。
じんわりと断続的な快感を伝えてきたおまんこが、ひくひくと指を求めてうねっている。
その波はとどまることを知らず、高く高く上り詰めようとしていた。
琴音は、再び背をのけぞらせ、タオルケットを嚙み締めた。
「~~~~~♡」
ショーツの奥に生ぬるい感触が付きまとった。
琴音は、刺激しないようにゆっくりと指を抜く。
二本の指の間にかかった愛液のブリッジが、窓からほんの少し差し込む街灯の明かりにきらめいた。
いつしか、脳裏の片隅でわめいていた同居人は消えていた。
琴音はそれを美味しそうにしゃぶった。
「ママ、起きてる?」
「…………」
琴音の問いに返事はなかった。代わりに安らかな寝息が聞こえてきていた。
「ふうん、そっか、ママ、寝ちゃったか。」
琴音は静かに布団から這い出した。
「気持ちよかったけど、まだ足りないよね?」
くすくすと笑う。
「ほんと、私ってエッチな女の子だね。いったい、誰に似たのかな?」
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綾坂徹は股間に生ぬるい感触を覚えて、目を瞬いた。
(なんだ、この歳になって夢精か……?)
たが、違った。その生温かな感触は絡みついてくるのだ。
それに腰辺りに重みがある。
うっすら開いた視界に、影が映った。
それは熱く、浮かされたような息を吐き、上下に動いていた。そのたびに、ベッドがきしきしと軋みを上げている。
だんだんと目が慣れてくる。
「……琴音、何を」
「あっ、パパ、起きちゃったんだ? おとなちんぽ、借りてるよ。」
その瞬間に徹の背筋に一本冷たいものが突き刺さる感触を覚え、すべてを理解した。
琴音の幼い秘所が、徹のたくましく屹立した男根を咥えてしゃぶりあげている。
「……こんなに気持ちいいのに、ママだけなのずるい」
非難するようなトーンの声も、徹には聞こえていない。
「琴音、やめ」
「しっ」
琴音は起き上がろうとした徹の唇を、自分の唇で塞いだ。
うねる舌が、徹の口内を、歯茎を美味しそうに舐め上げた。
徹は身をよじり、それから逃れようとした。
「っぷは。ママが起きちゃうよ。」
琴音は朗らかに笑った。
「そうしたら、なんていうかな? 起きたら、娘に勝手にちんぽを使われていた? 信じると思う?」
「パパは黙って、琴音ちゃんのきつきつおまんこで役得していればいいんだよ♡」
「……琴音?」
「なんでもない。」
くすくすと笑う。
「今日は、一回イくまで付き合ってくれればいい……か、ら!」
琴音の腰が捻られ、徹の男根をねじる様にして絞り上げる。
徹はたまらず呻きを上げた。
「ねえ、パパ、気持ちいい?イっちゃいそう?自分の娘に、おちんぽミルク飲ませるの?」
「パパだったら、いいよ。」
窓から差し込むわずかな夜明かりに、琴音のはにかむ顔が映し出される。
それは次の瞬間、淫靡に崩れた。
「……来た!来る、来る来る来る来る!!」
「ぅ、つ……!」
腰が上がり、結合部から徹の男根が黒々と吐き出される。
琴音は深く腰を沈めこんだ。それが、一気に幼い秘所へ飲み込まれた。
「……!」
琴音が身をよじらせるのと同時に、徹は白い欲望を解きはなった。
自分がやってしまったことを脳裏で反芻して、徹は眩暈がした。
急激に萎えていく股間が、琴音の陰唇から抜け落ちた。
琴音はそこへ指をつきこみ、指に付いた精液を舐めた。
「ごちそうさま、パパ。明日もお願いするね……♡」
琴音はふわりと欠伸をし、ほほ笑みかけた。
徹には、その笑顔は昨日までの琴音と、何の違いもなく見えた。
「ママには内緒だよ」
End
スペシャルサンクス:あるべんとさん